確率の和と積の法則は,特性を発現する可能性を求めるために 使われます。例えば,妊婦の家系の中に ビオチニダーゼ欠損症のような疾患がある場合,妊婦とそのパートナーの劣性がオチニダーゼ欠損症対立遺伝子の 保因者である可能性が、障害を持つ子供の可能性を決定します。ここで、女性の家系は、異型接合でなければならない 両親ではなく,罹患している兄弟を示しています。点線の正方形は、女性が正常な対立遺伝子に対して ホモ接合性であるか、または母親または父親から 疾患対立遺伝子を受け継いでいる可能性があることを示しています。女性が罹患する場合が2通りあるので,同型接合劣性の可能性は無視されます。2通りとも3分の1の確率です。確率の合計は、和の法則を用いて,女性がヘテロ接合である可能性となります。逆に、父親の確率は120分の1です。これは,ランダムな個体がヘテロ接合である確率と 同じだからです。両親両方が,それぞれ3分の2,120分の1の確率で,罹患した対立遺伝子をもっていなければなりません。4分の1の確率です。子供がビオチニダーゼ欠乏症に なる可能性はここから計算できます。積の法則を用いて,約0.14パーセントです。これが計算された理論上の確率です。しかし,両親によってはビオチニダーゼ欠乏症の子供 のみが生まれてきます。経験的確率は100パーセントとなります。しかし,多くの家族で調べた場合,確率は一致します。