イオン性固体には 水溶性と 水不溶性のものがあります 水溶性イオン性固体は 解離またはイオンとなり 分解することによって 溶解します 解離したイオンの周りを 水分子が取り囲み 水溶液を形成します 水不溶性のイオン性固体は 水溶液中では未溶解または 未解離のままです 2つの異なるイオン性化合物の 水溶液を混合すると 化学反応の結果 不溶性イオン性固体を 生成する場合 それは沈殿反応です 沈殿物は未溶解のままであり ろ過によって溶液から 分離することができます 塩化ナトリウムと硝酸銀は 水溶性のイオン性化合物です 塩化ナトリウムの水溶液には ナトリウムイオンと 塩化物イオンが 解離した状態で 含まれています 同様に 硝酸銀の水溶液には 解離した銀イオンと 硝酸イオンが含まれています 2つの溶液を混合すると 4つのイオンが すべて含まれた溶液になります ナトリウム 銀カチオン 塩素アニオンと 硝酸アニオンです 反対に帯電したイオンは お互いに引き合うので それぞれの反応物の陽イオンは もう一方の反応物からの 陰イオンと対になり 新しいイオン生成物を 形成します このようにナトリウムの陽イオン は硝酸イオンと対になって 硝酸ナトリウムを形成し 銀の陽イオンは 塩化物の陰イオンと対になって 塩化銀を形成します 溶解度規則を参照することで イオン生成物が 水溶性か水不溶性かを 判断することができます このガイドによると すべての硝酸塩は 例外なく水溶性です 塩化物の塩の多くは 水溶性ですが 銀塩は例外です したがって 硝酸ナトリウムは 溶解したナトリウムイオンや 硝酸イオンとして溶液中に残る 可溶性の塩であるのに対し 塩化銀は 溶液中から沈殿する 不溶性の塩です この沈殿反応の分子式から 塩化ナトリウム水溶液が 硝酸銀水溶液と反応して 硝酸ナトリウム水溶液と 固体の塩化銀溶液を 形成することが 示唆されています これは 二重置換反応とも呼ばれる 塩メタセシス反応の一例です 塩メタセシスとは 2つのイオン性反応物の プラスイオンとマイナスイオンが パートナーを交換して 新たに2つの イオン性生成物を生成する 化学プロセスです この反応では ナトリウムと銀の 陽イオンがパートナーを交換し それぞれ硝酸イオンと 塩化物アニオンと対になって 硝酸ナトリウムと 塩化銀を生成します