格子エネルギーは イオン性の格子の形成や 分離に関連しています しかし 塩化ナトリウムや 酸化マグネシウムが形成された時 その格子エネルギーは 大きく異なります イオン性化合物の格子エネルギー が異なるのはなぜでしょうか また どのような要因に 依存するのでしょうか イオン性化合物は 多数の荷電イオンが 静電相互作用によって 互いに引きつけ合って 整然と配置されています クーロンの法則によれば 2つのイオンの ポテンシャルエネルギーは イオン間の距離に反比例し イオン半径に依存します 周期表では アルカリ金属と アルカリ土類金属のイオン半径は 列の下に向かって大きくなります 金属イオンの 大きさが大きくなると イオン間の距離 すなわち結合長も 大きくなります 例えば 臭化リチウムと 臭化カリウムの結合長は それぞれ217pmと 282pmの間で異なります 核間距離が長くなると イオン間の引力が減少し イオンが分離しやすくなります このため 固体の 臭化リチウムを分離するための 格子エネルギーは 臭化カリウムの場合よりも大きく それぞれ807kJ/mol 対 682kJ/molとなりました イオン半径に加えて 格子エネルギーの大きさは イオン電荷にも依存します クーロンの法則によれば イオンのポテンシャルエネルギー は 電荷の積に正比例します ふっ化ナトリウムと 酸化カルシウムの2つの イオン性化合物を 考えてみましょう 両方の化合物の イオン距離は似ていますが 酸化カルシウムの 格子エネルギーは フッ化ナトリウムの約4倍です ナトリウムとフッ化物は どちらも一価イオンであり 電荷の積は1です しかし カルシウムイオンと 酸化カルシウムイオンは 2価のイオンであり 電荷の積は4であり フッ化ナトリウムの 4倍になります このため 酸化カルシウムを ガス状イオンに分離するのには フッ化ナトリウムに比べて 4倍近くの エネルギーが必要となります このように 格子エネルギーの大きさは イオンの電荷の積に正比例し イオン間の距離に反比例します