イオン結合の形成には 金属原子から 非金属原子への 電子移動が必要です しかし 元素のナトリウムと 塩素が反応して 固体の塩化ナトリウム結晶を 形成するとき それは非常に 発熱性のプロセスです しかし そのエネルギーは どこから来るのでしょうか?クーロンの法則によれば 陽イオンと陰イオンは 強い静電気力によって 互いに引きつけられて 固体の配列 つまり格子になります 結果として得られる 格子構造は ポテンシャルエネルギーを 減少させることで安定化され 発熱反応である 熱として放出されます 結晶性格子の形成または その気体成分への分解に 関連する総エネルギーは 格子エネルギーと呼ばれています 固体イオン性化合物では 多数の荷電粒子が 相互作用するため 格子エネルギーの 正確な値を実験的に 決定することは困難です しかし ヘスの法則を用いて ボルン・ハーバー サイクルと呼ばれる 仮想的な一連のステップで 計算することができ これは構成元素からの イオン性化合物の形成を表します 例えば 塩化ナトリウム生成の ボルン・ハーバーサイクルでは 直接経路と間接経路の 2つの経路が考えられます 直接経路は 元素であるナトリウムと 塩素からのNaClの生成の 標準エンタルピーを表します 間接経路は 5つのステップからなる 最初のステップでは 固体状態のナトリウムが 気体に変換されます 次に 二原子塩素分子が解離して 気体の塩素原子になります 3番目と4番目のステップでは イオンを形成するための 電子移動が行われます 気体のナトリウムから 電子が取り除かれ ナトリウムカチオンが 形成されます 次に 電子はガス状の 塩素に取り込まれ 塩化物アニオンを形成します 最後のステップでは ガス状イオン間の静電引力が 格子構造の 形成につながります ヘスの法則は段階的なプロセスの 全体的なエンタルピーの変化は 各段階のエンタルピーの 変化の総和であることを 示しています 直接経路のエンタルピー値は 5つのステップの エンタルピーの総和に 等しいことを意味します 格子エネルギーの 方程式を解くことで 大きな負の値が算出されますが これは発熱反応を意味します