純粋な気体の圧力は その粒子と周囲の表面との間の 分子衝突の総和です ある体積の粒子が 少ない気体サンプルは 同じ体積の 粒子が多いサンプルよりも 圧力が低くなります しかし 異なるガスの 混合物の圧力はどうでしょう 多成分ガスの混合物の場合 圧力はすべてのガス分子からの 衝突の総和です 混合物の各成分は 存在する他のガスから 独立した独自の 圧力を発揮すると 仮定しています 個々の成分からの圧力は その分圧と呼ばれています 理想的なガスの混合物の 圧力の合計は その成分の分圧の 合計に等しくなります この観察は ダルトンの分圧の法則です 理想気体の法則を 適用することで 個々の気体成分の分圧は 測定可能な変数で 置き換えられます 混合物中のガスは 同じ体積を占め 同じ温度にあるので 式は単純化できます 個々の成分のモル数の合計は すべてのガス成分の モル数の合計に 等しくなります したがって ガス混合物の全圧力は n-totalに定数R-T/V を乗じた値に等しくなります 成分のモル数を混合物の 全モル数で割ったものが モル分率です このモル分率を 総モル数に直して ダルトンの分圧の法則に n-totalを代入すると 総圧力の式が得られます もう一度言い換えると 混合物中の気体の分圧は そのモル分率と混合物の 全圧の積になります したがって ガスの混合物では 任意の成分iの分圧は iのモル分率に 全圧を乗じたものになります 計算例として ヘリウムとアルゴンの 容器中の2つのガスの体積比が 40%でアルゴンであるとします これはアルゴンのモル分率が 0.4であることを意味します 全圧が4気圧の場合 ヘリウムの分圧は 何気圧でしょうか 気体の分圧の式を使えば アルゴンの分圧はそのモル分率に 全圧をかけたものになります したがって0.4 を4気圧に かけてアルゴンの分圧は 1.6気圧となります 分圧の合計が全圧に等しいので アルゴンの分圧を全圧から 減算するように式を 組み替えることができます したがって ヘリウムの分圧は 2.4気圧となります