原子やイオンの化学的挙動は 特に化学結合形成に関与する 一番外側の電子の 除去の容易さや困難さに 大きく影響されます 基底状態の気体原子から 電子を取り除くのに 必要なエネルギーは 第一イオン化エネルギーと呼ばれ 1モルあたりの キロジュールで表されます 次の電子を取り除くのに 必要なエネルギーを 第二イオン化エネルギーと 呼びます イオン化エネルギーは 列が下に行くほど減少します 原子価電子の主量子数が 最も高いものほど 列の下に行くほど 原子サイズが大きくなることを 思い出してください このように 一番外側の電子が 遠ければ遠いほど それらの電子を 除去しやすくなります 主族元素の場合 イオン化エネルギーは 周期にわたって増加します その理由は 原子番号の増加にあり 原子価電子はより高い 有効核電荷を持つことになり 最外殻電子の除去が より困難になります これが塩素がナトリウムよりも 高いイオン化エネルギーを 持つ理由です 一般的に イオン化エネルギーは アルカリ金属では最小であり 希ガスになるごとに ピークを迎えます 遷移金属の イオン化エネルギーの増加は 周期にわたって 小さく fブロック元素は さらに小さい変化を示します しかし 考慮すべき 例外もあります ホウ素は 周期表の 右端にあるにもかかわらず ベリリウムよりもイオン化 エネルギーが小さくなっています ベリリウムはエネルギーの低い 2s電子を持っていますが ホウ素はエネルギーの高い 2p電子を持っているので その除去はエネルギー的に 有利です もう一つの例外は 酸素で 窒素よりも 第一イオン化エネルギーが 低くなっています 酸素は窒素に比べて p電子が4個あり 1個の電子を取り除くことで 電子間の反発がなくなります そのため イオン化に必要な エネルギーが少なくて済むのです このような例外は 後続の周期にも見られます 陽イオンからの電子の除去は 中性原子からの 電子除去よりも困難です 一般的に 元素の場合 イオン化の連続的なエネルギーは 大きくなります カリウムを考えてみましょう 第二イオン化エネルギーは 希ガス構造を持つイオンからの コア電子の除去を伴うため 著しく高くなります 同様に カルシウムの場合は 希ガス構造を持つ陽イオンから コア電子が除去されるため 第二イオン化エネルギーと 比較して 第三イオン化エネルギーは 大きく上昇します