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8.4:

イオン化エネルギー

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化学
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Ionization Energy

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原子やイオンの化学的挙動は 特に化学結合形成に関与する 一番外側の電子の 除去の容易さや困難さに 大きく影響されます 基底状態の気体原子から 電子を取り除くのに 必要なエネルギーは 第一イオン化エネルギーと呼ばれ 1モルあたりの キロジュールで表されます 次の電子を取り除くのに 必要なエネルギーを 第二イオン化エネルギーと 呼びます イオン化エネルギーは 列が下に行くほど減少します 原子価電子の主量子数が 最も高いものほど 列の下に行くほど 原子サイズが大きくなることを 思い出してください このように 一番外側の電子が 遠ければ遠いほど それらの電子を 除去しやすくなります 主族元素の場合 イオン化エネルギーは 周期にわたって増加します その理由は 原子番号の増加にあり 原子価電子はより高い 有効核電荷を持つことになり 最外殻電子の除去が より困難になります これが塩素がナトリウムよりも 高いイオン化エネルギーを 持つ理由です 一般的に イオン化エネルギーは アルカリ金属では最小であり 希ガスになるごとに ピークを迎えます 遷移金属の イオン化エネルギーの増加は 周期にわたって 小さく fブロック元素は さらに小さい変化を示します しかし 考慮すべき 例外もあります ホウ素は 周期表の 右端にあるにもかかわらず ベリリウムよりもイオン化 エネルギーが小さくなっています ベリリウムはエネルギーの低い 2s電子を持っていますが ホウ素はエネルギーの高い 2p電子を持っているので その除去はエネルギー的に 有利です もう一つの例外は 酸素で 窒素よりも 第一イオン化エネルギーが 低くなっています 酸素は窒素に比べて p電子が4個あり 1個の電子を取り除くことで 電子間の反発がなくなります そのため イオン化に必要な エネルギーが少なくて済むのです このような例外は 後続の周期にも見られます 陽イオンからの電子の除去は 中性原子からの 電子除去よりも困難です 一般的に 元素の場合 イオン化の連続的なエネルギーは 大きくなります カリウムを考えてみましょう 第二イオン化エネルギーは 希ガス構造を持つイオンからの コア電子の除去を伴うため 著しく高くなります 同様に カルシウムの場合は 希ガス構造を持つ陽イオンから コア電子が除去されるため 第二イオン化エネルギーと 比較して 第三イオン化エネルギーは 大きく上昇します

8.4:

イオン化エネルギー

基底状態の気体原子から最も緩く結合している電子を取り除くのに必要なエネルギーを第一イオン化エネルギー(IE1)といいます。元素Xの第一イオン化エネルギーは、1+の電荷を持つ陽イオンを形成するのに必要なエネルギーです。

2番目にゆるく結合している電子を取り除くのに必要なエネルギーを第2イオン化エネルギー(IE2 )と呼びます。

3番目の電子を取り除くのに必要なエネルギーは、3番目のイオン化エネルギーであり、以下同様に続きます。原子やイオンから電子を取り除くには常にエネルギーが必要であるため、イオン化プロセスは吸熱性であり、IE値は常に正です。大きな原子では、最もゆるやかに結合している電子が原子核から離れたところにあるため、除去しやすくなります。したがって、サイズ(原子半径)が大きくなると、イオン化エネルギーは小さくなるはずです。

同一周期内では、IE1Zの増加とともに一般的に増加し、族内では、IE1値はZの増加とともに一般的に減少します。ホウ素(原子番号5)の核電荷はベリリウム(原子番号4)よりも1陽子大きいのに、イオン化エネルギーはベリリウムよりも小さいことに注目してください。これは、lが大きくなると、貫入性や遮蔽性のために小軌道のエネルギーが大きくなることから説明できます。1つの殻の中では、s電子の方がp電子よりもエネルギーが低いです。つまり、s電子は同じ殻のp電子よりも原子から取り除かれにくいということです。ベリリウム([He]2s2)のイオン化で取り除かれる電子はs電子ですが、ホウ素([He]2s22p1)のイオン化で取り除かれる電子はp電子です。このため、ホウ素は核電荷が陽子1個分大きいにもかかわらず、最初のイオン化エネルギーが小さくなります。このように、新しい小軌道が始まるたびに、予測された傾向から少しずつずれていくことがわかります。

また、軌道が半分以上埋まると、別のずれが生じます。周期的にIE1値が増加する傾向にあるにもかかわらず、酸素の第一イオン化エネルギーは窒素のそれよりもわずかに小さいです。酸素の場合、電子を1つ取り除くと、2p軌道の電子のペアリングによる電子-電子間の反発がなくなり、半分埋まった軌道になります(エネルギー的には有利)。同様の変化が後続の周期にも起こります。

陽イオンから電子を除去することは、陽イオンへの静電引力が大きいため、中性原子から電子を除去するよりも難しいです。同様に、正の電荷が大きい陽イオンから電子を取り除くことは、電荷が小さいイオンから電子を取り除くことよりも困難です。このようにして、1つの元素のイオン化エネルギーは、連続して必ず大きくなります。表1に見られるように、各元素のイオン化エネルギーには大きな上昇が見られます。このジャンプは、価電子よりも取り除くのが難しい内殻電子が取り除かれたことに対応しています。例えば、ScとGaはともに3つの価電子を持っているので、イオン化エネルギーの急激な増加は、3回目のイオン化の後に起こります。

表 1 :特定の元素の連続したイオン化エネルギー( kJ/mol )

Element IE1 IE2 IE3 IE4 IE5 IE6 IE7
K 418.8 3051.8 4419.6 5876.9 7975.5 9590.6 11343
Ca 589.8 1145.4 4912.4 6490.6 8153.0 10495.7 12272.9
Sc 633.1 1235.0 2388.7 7090.6 8842.9 10679.0 13315.0
Ga 578.8 1979.4 2964.6 6180 8298.7 10873.9 13594.8
Ge 762.2 1537.5 3302.1 4410.6 9021.4 Not available Not available
As 944.5 1793.6 2735.5 4836.8 6042.9 12311.5 Not available

このテキストは 、 OpenStax Chemistry 2e の第 6.5 章「元素特性の周期的な変化」に基づいています。