地球上の生物は 驚くほど多様性に富んでいます。様々な系統の研究により、このような多様性が 進化によるものだと示す 膨大な証拠が見つかっています。例えば、細菌の 抗生物質耐性の進化は 数日間という 短い期間で 直接観察することができます。このように急速な進化は 個体数が多く、世代時間が 数分間と短い 細菌だからこそ可能です。生物の発生の過程を 比較して 進化の証拠を 見つけることもできます。例えば、超初期の 脊椎動物の胚は、どの種も姿が 非常に似ており、すべての胚に 咽頭弓と脊柱が あります。属や種を 定義づける性質は 後から発達します。発達が完了した生物でも、比較解剖学によって 生物同士が驚くほど 似ていることが分かっています。四足類—4本の脚を持つ動物—は 共通の祖先から進化しました。鳥、ヒト、クジラ、のように 全く異なる種の生物が 共通した前肢の 骨構造を持っています。化石は、絶滅した種がかつて 生存していた証拠を提供して くれると同時に、現生種への 進化についても知ることができます。化石化した組織は 直接年代を特定したり、化石が形成された 堆積岩相の位置から その年代を推測する こともできます。このようなデータから、科学者たちは 絶滅した種の 誕生と絶滅の時期、さらには、その種と 他の種や現代の子孫との 関係性を推測します。すべての生物は DNAを使って遺伝情報の 保存と伝達を行っています。DNA配列を比較すると 生物同士の 関連性を見ることができます。類似した配列を 多く持つ生物同士は より密接に関連しています。生物地理学は 世界中の生物の 分布を研究します。生物の分布パターンには 絶滅や種分化などの 要因が影響しています。ガラパゴス諸島に 生息するフィンチは、1つの種が 2つ以上の種に 分化するプロセス、つまり種分化の 代表的な例です。種分化は、体格的特徴と DNAの変化によって 異なる個体群からの 個体同士が 交配できなくなると起きます。フィンチの集団の一部は 新しい食料源を 摂取するようになり、時間とともに その地域に最も多く 存在する食料源に 合わせて嘴の形などの 特性を進化させました。以上をまとめると、様々な分野の研究から 進化の概念がなければ 生物学は意味を成さない』こと示す証拠が 見つかっているのです。