植物は通常、地面から 芽を伸ばし、土の中に 根を張ります。植物はどのように上下を 感知しているのでしょうか?植物は重力に応答して 成長し、動きます。この現象を重力屈性と 呼びます。根が下方向に 成長する場合など、重力と同じ方向へ 成長することを 正の重力屈性と呼びます。シュートが上に向かって 成長する場合など、重力と反対の方向へ 成長することを 負の重力屈性と呼びます。根の根冠には重力を 感知する特別な細胞、平衡細胞が含まれています。平衡細胞の中では、アミロプラスト、または 平衡石と呼ばれるデンプン質の 密度の高い細胞器官が 重力に引かれて底に溜まっています。垂直方向にI 伸びている根では、平衡石は各細胞の 底面付近に溜まります。根の向きを横にすると、平衡石は滑り落ちて、元は細胞の側面だった 垂直方向の壁が 新たに細胞の 底辺となります。底に溜まった アミロプラストによって 重力を感知した植物は、根の上部の成長を促進し、下部の成長を 抑制することで、根の先端を非対称に 伸長させます。上部の細胞が急速に 伸長することで 根が曲がり、下方向に 伸びていきます。植物の成長には接触応答も 関与しています。例えば、多くの植物は 土の中の障害物を 避けながら根を伸ばし、つる植物は他の構造物に 巻き付きながら成長します。接触屈性とは、植物が 物への接触に応答して 成長する方向を変えることを指します。根は通常、接触した 障害物を避けて 成長することで、最も 抵抗の少ない土壌を 伸び進んで行きます。これを 負の接触屈性と呼びます。反対に、つる植物の 糸のような巻きひげは 接触した物体に向かって 成長し、時には凄い速さで 物体に巻き付きます。これを 正の接触屈性と呼びます。巻きひげは物との接触を 敏感に感知します。刺激に触れると、接触した側にある 細胞が収縮し、反対側の細胞は 伸長します。この成長の差異によって 巻きひげは物体に 絡み付き、植物を安定化 させているのです。