すべての化学反応には エンタルピーの変化が 関係しており これは反応中にエネルギーが 放出されるか 必要とされるかを 判断するのに役立ちます このエンタルピーの変化は 平均結合エネルギーを用いて 推定することができます 気体状の化合物の1モル中の 特定の結合を切るのに 必要なエネルギーは 結合エネルギーと呼ばれ 1モルあたりの キロジュールで表されます このエネルギーは 結合している原子の種類や 電子の共有対の数によって 異なります 結合エネルギーは 通常 異なる化合物中の 同じ結合の結合エネルギーの 平均値として表されます 平均結合エネルギーは 化学反応が発熱性か 吸熱性かを判断するために 使用することができます エテンと臭素が反応して 1, 2-ジブロモエタンを 生成する場合を 考えてみましょう 最初は炭素の二重結合と 臭素の単結合が切れますが これはエネルギー投入を 必要とするプロセスであり 原子のポテンシャルエネルギーを 増加させます このため 結合の切断は エンタルピーの 正の変化を伴う 吸熱反応です その後 炭素原子と 臭素原子の間に 新しい結合が形成され 生成物が得られます 結合形成は ポテンシャルエネルギーを 減少させることで 分子の安定性を高めます したがって 結合形成は 発熱性のプロセスであり エンタルピーの 負の変化を引き起こします ヘスの法則によれば 反応物と生成物の エンタルピー変化の合計は 反応全体の エンタルピー変化に 等しくなります 反応物のエンタルピー変化は 切断された結合の エンタルピーの総和であり 生成物のエンタルピー変化は 新たに形成された結合の エンタルピーの総和です したがって 1, 2-ジブロモエタンの生成は 1モルあたり255キロジュール のエンタルピーを持つ 吸熱反応となります 結合エンタルピーに加えて 結合の種類や 結合した原子の種類は 2つの結合した原子の 原子核間の平均距離である 結合長にも影響を与えます 2つの窒素原子と 2つの炭素原子の間の 異なる結合を考えてみましょう 三重結合のような 複数の結合を持つ原子は より強固に一緒に 保持されているため 短くて強い結合につながります その結果 分子はより安定で 解離に必要なエネルギーが 高くなります 一般に 結合の強さは 間接的に結合長に比例しますが 一部の例外もあります