22.4:

ガス交換と輸送

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Biology
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Gas Exchange and Transport

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01:20 min

March 11, 2019

細胞の機能には、酸素分子(O2)を環境から取り込み、二酸化炭素(CO2)を環境に排出するガス交換が必要です。呼吸中のガス交換は、主に圧力勾配に沿ったガス分子の移動によって行われます。ガスは分圧の高い場所から低い場所へと移動します。哺乳類の場合、ガス交換は肺の肺胞で行われます。肺胞は毛細血管に隣接しており、毛細血管と膜を共有しています。

肺が膨張すると、大気との相対的な圧力低下により、酸素が肺に引き込まれます。環境から肺に入る空気は、心臓から肺に向かう酸素の少ない血液よりも、酸素濃度が高く、二酸化炭素濃度が低いです。このため、酸素は肺胞から毛細血管内の血液に拡散し、組織に供給されます。対照的に、二酸化炭素は毛細血管から肺胞へと拡散し、呼気によって排出されます。

分圧

気体の流れは、各気体の圧力勾配によって決まり、各気体はその勾配を下っていきます。混合ガス中の個々のガスが及ぼす圧力はその分圧であり、各ガスは分圧の高いところから低いところへ移動します。したがって、O2とCO2の動きには直接の関係はないです。

全体像

酸素は、人体の細胞呼吸の過程で、糖などの有機分子をエネルギー化合物であるATPに変換するために使用されます。細胞呼吸の副産物としてCO2がありますが、これは細胞から除去しないとpHが変化して細胞にダメージを与えます。重要な細胞機能にエネルギーを供給するためには酸素が必要であり、CO2が蓄積されることは許されないため、人体はガス交換を可能にするためにすべての組織との間に一定の血液の流れを必要とします。

肺胞

呼吸器系と循環器系は、構造的にも機能的にも肺胞で合流しています。肺胞と毛細血管は絡み合って物理的に接しており、両者の厚さは通常1細胞であるため、両者の間でガス交換が容易に行われます。肺の大きさはそれほど大きくないですが、肺胞の数が非常に多いため、交換されるO2とCO2の量は膨大で、その表面積は約100m2あります。