RNA干渉 (RNAi) は、二本差RNA (dsRNA) を生物内に導入し、ターゲット遺伝子をノックダウンするために広く用いられる技術です。C. elegansにおけるRNAiは、標的遺伝子に相補となる二本差RNAを発現させたバクテリアを線虫に摂食させるだけで簡単にかつ効率良く実施できます。このビデオではまずRNA干渉の概念とターゲット遺伝子のノックダウン方法を紹介しています。そして、バクテリアとRNAi線虫プレートの準備方法、線虫の培養方法、RNAiの評価方法を含め、C. elegansのRNAi実験をプロトコルに準じて説明しています。それから、RNAiを利用した逆遺伝子スクリーニングを紹介しています。逆遺伝子スクリーニングは、遺伝子がどのような生物学的役割を担っているかを明らかにするために頻繁に使用されるテクニックです。さらには、コンピューターを用いた逆遺伝子スクリーニングにより、大量の遺伝子サンプルを効率的にノックダウンし解析することが可能です。また、RNAiはC. elegansの発生研究にも頻繁に利用されています。RNAiはその発見以来、多くの生物学的現象の解明に大きく貢献しているのです。