金属結合とは2つの金属原子間の 結合のことです 金属は非金属に比べて イオン化エネルギーが低いため 価電子を失いやすい傾向があります このため金属結合はイオン結合や 共有結合とは対照的に 独特の性質を持っています 金属結合と その性質のほとんどは 単純な電子海モデルを使って 説明することができます 金属のカリウムを 考えてみましょう カリウム原子は イオン化エネルギーが低いため 価電子を失って 陽イオンになる傾向があります これらのカリウム陽イオンは 負に帯電した電子の海に 引き寄せられるため 緊密に結合しています これらの電子は単一のイオンに 閉じ込められているのではなく 均一に分布しており 金属内を比較的自由に 移動することができます 電子海モデルによって 金属のいくつかの 重要な特性を 説明できます 例えば 銅線のような 金属線に電圧差を加えると マイナスに帯電した電子が 線のプラス側に向かって 自由に移動し 電流が発生します これが ほとんどの金属が 優れた電気の 伝導体である理由です 一方 イオン性化合物は 固体状態では 電気の非伝導体ですが 水に溶けると 電気を通すことができます これは 結晶性のイオン結合では 電子は金属から 非金属に移動しており 1つのイオンに 局在したままだからです しかし 水に溶けると 陽イオンと陰イオンが解離し 電位差を受けると移動して 電流が流れるようになります 金属は熱伝導体としても 優れています 電子海モデルによれば 金属の一端に熱を加えると 電子は自由に動き 熱を素早く金属全体に 分散させることができます 金属は可鍛性があるので 板状に叩いたり 延性があるので 線状にしたりすることが 容易にできます 金属には局所的な結合がないため 金属原子同士が すれ違うことができ 簡単に変形させることができます その後 電子は 変形に対応するために 新しい形状に流れ込みます