電子雲の中で 最も密度の高い領域 つまり電子が最も多く 存在する領域は 原子軌道で表されます 原子軌道の形は 角運動量量子数l によって決まります lの値は主量子数nに 基づいていることを 覚えておいてください nが1より大きい場合 複数の副量子数が存在します lの各値はs p d f軌道 のいずれかに対応します 最も低いエネルギーの軌道は 1-s軌道です これは球対称軌道です 1-s軌道の確率密度から 電子は原子核に存在する可能性が 高いことがわかります しかし 陽子と電子の間の 静電力を考えると これは可能性が低くなります 確率密度を半径rの 薄い球状の殻の 体積にかけると より精密なものになります 薄い球状の殻の中で 原子核からrの距離にある 電子が見つかる確率の合計が 放射状分布関数となります 水素の場合 原子核から 52.9ピコメートルの距離だけ 離れたところで 電子が見つかる確率が 最も高くなります したがって 水素の 1s原子軌道の形状は 半径52.9ピコメートルの 球形となります 2sと3sの原子軌道も 球形です これらの軌道はより大きく ノードを持っています ノードでは 電子が見つかる確率はゼロです nが2以上に等しい 主水準はまた3つの p軌道を含んでいます これらは 核にノードを持つ ローブ状のものです その配向は m-lの値で表されます 3つのp軌道は 互いに直交しています nが3以上の主準位には5つの d軌道があります クローバーリーフ形状の d軌道は 4つの電子密度の高い ローブと2つの垂直な結節面を 持っています d軌道のうちの1つは わずかに異なっています f軌道はより多くのローブと ノードを持っています これらの軌道は 4以上の 主レベルのnに対して 存在しています これらの軌道を重ね合わせると だいたい球状の 形が浮かび上がってきます これが 原子が一般的に 球体として表現される理由です