水溶液中では多くの 化学反応が起こります これらの反応は主に3つの カテゴリーに分類されます 沈殿反応 酸-塩基反応 酸化-還元反応です 典型的な沈殿反応では 溶解した陽イオンと陰イオンが 一緒になって 不溶性の イオン性化合物を形成し 溶液から沈殿します 例えば 塩化カリウム水溶液と 硝酸銀水溶液との反応では 不溶性の塩化銀が析出します 酸-塩基反応では 酸からのプロトンと 塩基からのOHイオンが反応して 水を生成するように 酸と塩基が互いに中和します 対イオンは通常 反応して塩を形成します 例えば 臭化水素は 水酸化カリウムと反応して 水と臭化カリウムを生成します 酸化還元反応である レドックス反応では 電子がある反応物から 別の反応物に移動します 例えば カリウムの原子が 塩素の原子と結合して 塩化カリウムを形成するとき カリウムの原子は 塩素の原子に電子を1個失います 水溶液中で化学反応が起こると 水溶性の分子状固体は そのままの分子として溶解し 水溶性のイオン状固体は 分離したイオンとして存在します 水に溶けないイオン性固体は 未溶解のままです 水溶液中で起こる 反応の式を書く際には 溶解している物質の 性質を示す必要があります 硝酸鉛水溶液と ヨウ化ナトリウム水溶液との 沈殿反応で 固体のヨウ化鉛と 硝酸ナトリウム水溶液が 生成する場合を 考えてみましょう 化合物の完全な中性式が あたかも溶液中に 分子または全単位として 存在しているかのように 書かれているので 平衡式は分子式と 呼ばれています 硝酸鉛 ヨウ化ナトリウム 硝酸ナトリウムなどの 水溶性イオン性化合物は 溶液中にイオンとして存在し 水不溶性のヨウ化鉛は イオン性固体として存在します したがって 分子方程式は 完全なイオン方程式として 書き換えることができ これは可溶性イオン種を 溶液中の 自由イオンとして示します 完全なイオン方程式の両側に 同じ形で現れるイオンは スペクテータイオンと呼ばれます スペクテータイオンを 両辺からキャンセルすると 実際に反応に参加する イオンと分子のみを含む 正味のイオン方程式が得られます