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ニューロンの構造

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Biologia
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Neuron Structure

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01:31 min

March 11, 2019

概要

ニューロンは、電気化学的な信号を生成・伝達する神経系の主要な細胞です。ニューロンは、主にシナプスと呼ばれる特定の結合部で神経伝達物質を用いて相互にコミュニケーションをとります。ニューロンは、その機能に応じてさまざまな形をしていますが、多くの場合、細胞体から伸びる軸索と樹状突起という3つの主要な構造を共有しています。

ニューロンの構造と機能

神経細胞の細胞体(ソーマ)には、核や細胞機能に必要な小器官が存在します。細胞体からは、信号の送受信に特化した細い構造物が伸びています。通常、樹状突起は信号を受け取り、軸索は他の神経細胞や筋肉細胞などの他の細胞に信号を伝えます。ニューロンが他の細胞と接続する点をシナプスと呼びます。

神経細胞が入力を受けるのは、主にシナプス後末端です。シナプス後末端は、樹状突起から突き出たスパインと呼ばれる小さな突起に多く存在します。神経伝達物質やその他の化学的シグナルの受容体があります。樹状突起は大きく分岐していることが多く、何万もの入力を受ける神経細胞もあります。神経細胞は樹状突起で信号を受け取ることが多いですが、細胞体など他の場所にもシナプスを持つことがあります。

シナプスで受信した信号は、樹状突起を伝って体細胞に到達し、体細胞は信号を処理して、メッセージを送信すべきかどうかを判断します。活動電位は、ニューロンが生成する主要な電気信号です。活動電位は、情報を次の細胞に伝え、体細胞と軸索の接合部である軸索丘で最初に発生します。

軸索の長さは様々だが、非常に長いものもあり、例えば、脊髄から足まで伸びているものもあります。長い軸索は通常、軸索を絶縁する脂肪質のミエリン鞘に包まれており、電気信号の維持に役立っています。ミエリン鞘は、神経系の細胞の一種であるグリアによって作られます。ミエリン化された軸索では、活動電位はランヴィエの節(ミエリンの隙間)ごとに再生され、軸索の末端であるシナプス前末端に到達するまで再生されます。

シナプス前末端には、神経伝達物質を溜めておく小胞があります。活動電位をきっかけに、小胞は細胞膜に融合してエキソサイトーシスを起こし、神経伝達物質をシナプス間隙に放出します。神経伝達物質の種類によって、シナプス後の細胞に与える影響は異なります。興奮性シナプスではシナプス後細胞に活動電位が発生する可能性が高くなり、抑制性シナプスでは活動電位が発生する可能性が低くなります。

神経細胞の形態

神経細胞の全体的な形、つまり形態は、その機能に大きく関係しています。少ない樹状突起と1本の軸索を持つ神経細胞もあれば、非常に複雑な樹状突起を持つ神経細胞もあり、また、生物の体長を超える軸索を持つ神経細胞もあります。このような多様な形態は、しばしばニューロンの種類を定義するのに用いられます。シナプス結合の数は、細胞が信号に反応する方法に影響を与えます。そのため、樹状突起の形態と、そこに含まれるシナプスの数は、ニューロンの種類を決定する重要な特徴となります。また、末梢神経系では、樹状突起が細胞の受容野を決定し、細胞が感受性を示す身体上の物理的な空間を決定することもあります。

神経細胞の構造を視覚化する技術

19世紀末から20世紀初頭にかけて、スペインの解剖学者であるサンティアゴ・ラモン・イ・カハール(Santiago Ramon y Cajal)は、個々の神経細胞を追跡し、その本質についての基本的な洞察を与えた先駆者でした。カハールは、細胞を細部まで描き出すことに成功しました。イタリアの生物学者カミロ・ゴルジ(Camillo Golgi)の名を冠して開発された染色法を用いて、脳内のさまざまな種類の細胞の構造を追跡することができました。また、特定の情報を処理するために一緒に活性化される神経細胞のネットワークである神経回路の基本的な接続もスケッチしました。