ヒトゲノムマップの作成開始から既に10年以上が経過していますが、全てのヒト遺伝子の機能が解明されるまでにはまだまだ時間がかかります。遺伝子機能を調べる一つの方法として、その遺伝子配列を欠損させ、その変化(表現型)が動物の生体に与える影響を評価することができます。そのために一般的にヒト遺伝子と高い類似性を持つマウス(Mus musculus)が用いられます。何世代にも渡ってマウスの遺伝子変化を追跡するために必須となるのが、各マウスのDNAをスクリーニングするためのジェノタイピングと呼ばれるテクニックです。
このビデオでは、マウスのジェノタイピングの概念とその手順について解説しています。最初にホモ接合体、ヘテロ接合体、野生型、突然変異体、トランスジェニックなどの用語を含むマウスの遺伝学の基本を説明しています。次に、マウス組織からゲノムDNAを抽出し精製するための工程やジェノタイピング結果の読み取り方、さらに目的遺伝子型の追跡方法も紹介しています。そして最後に、ジェノタイピングがマウス研究の必須テクニックとなっている理由をアプリケーション例と共に学ぶことができます。
No conflicts of interest declared.