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光受容体と植物の光反応

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生物学
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Photoreceptors and Plant Responses to Light

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02:00 min

February 27, 2020

光は、植物の成長と発達を制御する上で重要な役割を果たしています。光合成のためのエネルギーを提供するだけでなく、光は植物の様々な発達や生理的反応を制御する重要な手がかりとなります。

光受容体とは

植物は、光受容体と呼ばれるユニークな光感受性タンパク質を使って光に反応します。光受容体には、光を吸収する色素と呼ばれるタンパク質が結合した光色素が含まれています。光受容体にはいくつかの種類があり、アミノ酸配列や発色団の種類が異なります。これらのタイプは、紫外B(280-315ナノメートル)から遠赤(700-750ナノメートル)までの異なる特定の波長の光に最大の応答を示します。発色団が光を吸収することで、光受容体の構造が変化し、一連のシグナル伝達現象が起こり、その結果、遺伝子の発現が変化します。

フィトクロムシステム

植物には多くの種類の光受容体が存在します。フィトクロムは、赤や遠赤の光を感知する光受容体の一種です。フィトクロムシステムは、自然の光のスイッチとして機能し、植物は環境光の強さ、時間、色に反応することができます。

フィトクロムシステムは、光に反応して植物が成長・発達する「光形態形成」に重要な役割を果たしています。明るい太陽光には、遠赤色光よりも赤色光が多く含まれています。クロロフィルは赤色光を強く吸収するため、植物の陰になっている部分では赤色光よりも遠赤色光を多く受けることになります。

植物はフィトクロムという色素を使って、赤や遠赤の光に反応して成長します。日陰で遠赤色の光を浴びると、光を求めて茎や葉柄が伸びるようになります。一方で、日向で太陽光から赤い波長の光を浴びると、側方成長や分枝が促進されます。