8.13:

解糖の成果

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生物学
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Outcomes of Glycolysis

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August 01, 2019

細胞が使うエネルギーのほとんどは、複雑な有機化合物を構成する結合に由来しています。の有機化合物は、グルコースのような単純な分子に分解されます。その後、細胞はグルコースから多くの化学反応を経て、エネルギーを取り出すことを細胞呼吸といいます。

細胞呼吸には、酸素がある場合とない場合があり、それぞれ好気呼吸と嫌気呼吸と呼ばれています。細胞呼吸は、酸素があるときには解糖から始まり、ピルビン酸の酸化、クエン酸回路、酸化的リン酸化などが行われます。

好気的、嫌気的な細胞呼吸はどちらも解糖から始まります。解糖では、ピルビン酸2分子、NADH2分子、ATP2分子(4つの生成物から、エネルギーを必要とする解糖で使われた2つを差し引いたもの)が得られます。これらの主な生成物に加えて、解糖系では2つの水分子と2つの水素イオンが生成されます。

嫌気呼吸を行う細胞では、解糖が主なATP源となります。このような細胞では、発酵を利用して解糖からのNADHをNAD+に戻し、解糖を続けるために必要なNAD+を生成します。解糖は、ミトコンドリアを持たない哺乳類の成熟した赤血球にとっても、ATPの主要な供給源です。癌細胞や幹細胞は、好気性の解糖を利用してATPを得ています。

好気的呼吸を行っている細胞は、解糖後もピルビン酸の酸化、クエン酸回路、酸化的リン酸化を経てピルビン酸を分解しています。ピルビン酸酸化は、解糖系で生成されたピルビン酸を、クエン酸回路の主要材料であるアセチル-CoAに変換します。解糖系を維持するためのNAD+は、酸化的リン酸化の際に補充され、NADHが電子輸送鎖に電子をシャトルして提供し、NAD+となります。

細胞呼吸の主な産物は、エネルギー源となるATPです。

エネルギー源となるATPは、細胞呼吸の主な産物です。好気呼吸で生成されるATPのほとんどは酸化的リン酸化によって生成されるが、解糖系やクエン酸回路でもATPが生成されます。