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細胞外マトリックス

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The Extracellular Matrix

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01:42 min

March 11, 2019

概要

組織を構成するために、多くの動物細胞は、細胞外マトリックス(ECM)を構成する構造分子に覆われています。ECMに含まれる分子は、組織の構造的完全性を維持するだけでなく、特定の組織の珍しい特性も維持します。

細胞外マトリックスの構成

細胞外マトリックス(ECM)は、一般的に基質、ゲル状の液体、繊維状の成分、そして構造的にも機能的にも多様な多くの分子から構成されます。これらの分子には、グリコサミノグリカン(GAG)と呼ばれる多糖類が含まれます。グリコサミノグリカンは細胞外空間の大部分を占めており、その質量に比べ大きな体積を占めます。その結果、とてつもなく大きな圧縮にも耐えられるマトリックスとなります。ほとんどのグリコサミノグリカンは、タンパク質と結合してプロテオグリカンになります。これらの分子は正に帯電するので、ナトリウムイオンを持ち、したがって水を引き寄せ細胞外マトリックスを水和させます。

細胞外マトリックスには、コラーゲンのような硬い繊維も含まれており、これは細胞外マトリックスを構成する主要なタンパク質です。コラーゲンは動物に最も多く存在するタンパク質であり、タンパク質の質量の25%を占めます。構造的に類似した多様なコラーゲンが、多くの組織に引張強度を与えています。

特に、皮膚や血管、肺などの組織が生理的な役割を果たすためには、強さと伸縮性の両方が必要です。エラスチンと呼ばれるタンパク質は、特定の繊維に伸び縮みする能力を与えます。フィブロネクチンは、細胞の接着に重要な糖タンパク質であり、細胞の膜をまたぐタンパク質、特にインテグリンと直接結合し、膜と細胞外マトリックスを結びつけます。また、インテグリンはコラーゲンと相互作用することで、細胞内応答を誘引する場合もあります。

細胞外マトリックスの組成は組織と細胞の種類によります

これらの分子それぞれの構成と相対的な割合は、細胞が存在する組織の位置、生理的機能、および隣接する細胞種によって決まります。このような細胞外マトリックスの特定の分子構造は、局所的な微小環境と呼ばれます。特定の組織の細胞は、周囲の細胞外マトリックスを決定づける分子を分泌します。例えば、腸の細胞は周りのマトリックスに必要な分子を合成し、改造し、分泌します。一方、人間の骨の硬い細胞外マトリックスの分子は骨芽細胞が生成します。このように、異なる組織の細胞外マトリックスにける様々な組成は、組織独自の役割や機能に応じた特性を生みます。

細胞外マトリックスは細胞伝達に関与しています

細胞と局所的な細胞外マトリックスの相互作用は、細胞内にも影響を与えることがわかっています。例えば、膜貫通型のインテグリン分子に力が加わると、細胞内のアクトミオシン経路が活性化されます。これにより、細胞の移動、分裂、その他の細胞応答が促進される場合があります。これらの反応の中には、遺伝子発現や細胞シグナル経路の変化も含まれることがあります。同様に、インテグリンは細胞内の情報を細胞外に伝達することができます。さらには、細胞外マトリックスはシグナル分子と結合することが知られており、細胞外マトリックスの分解に伴いシグナル分子が放出されることもあります。

細胞外マトリックスの再構築

動物細胞には、細胞外マトリックスを分解して再構築する能力が必要です。これは、組織の修復や成長時に特に当てはまります。そのため、細胞は通常、細胞外マトリックスを分解するために必要な酵素を持ちます。この酵素にはマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)があり、他の酵素と協力してコラーゲンやフィブロネクチンなどのタンパク質を分解します。細胞外マトリックスの分解と再構築は、血管の分岐を含む健全な組織の成長に重要です。一方で、細胞外マトリックスの再構築は、がん細胞が体内に広がる転移にも寄与します。