葉の形、大きさ、向きなど、植物は驚くほど 多様性に富んでいます。観賞用ルバーブの グンネラ・マニカタは 水平に成長し、縦2.5メートル、横4メートルもの大きさになります。一方で、短い葉片を地面から 垂直に伸ばす植物もあります。葉のつくりには、どうして このような多様性があるのでしょうか?光合成でブドウ糖を 生成するためには 日光が必要不可欠です。そのため、植物が繁栄する ためには、効率よく 日光を吸収する必要があります。葉は特殊化した 植物の構造で、日光を吸収するための 葉緑体含有細胞が 多く含まれています。一般的に、背が高く、大きな葉を持つ植物の方が 光エネルギーを多く吸収できます。しかし、葉が大きいほど 水の蒸発が多くなり、より多くの水分を失うため、水の需要も増えます。背の高い植物は 日光をめぐる競争では 有利ですが、より頑丈な根と 水を長い距離運ぶための 適応が必要です。ブラジルの山岳雨林に 生植するグンネラ・マニカタなど、雨の多い環境では 葉の大きな植物が よく見られます。一方で、乾燥した環境に 生植する植物は 水分を失う量を できるだけ少なくする 戦略の下で進化しました。こうした理由から、砂漠に 生植するクレオソートなどの 葉は小さく、表面面積も 小さくなっています。葉序、または 茎への葉の付き方は、日光の吸収を最大化します。被子植物の葉の付き方には 次の3通りがあります。輪生、互生、または対生です。日光吸収の 効率性は 葉面積指数から 推測できます。葉面積指数とは、植物のすべての葉の表面積を その植物が占める地面の 面積で割った値です。葉面積指数が 7程度の植物は 効率的に日光を 吸収することができます。これ以上葉が増え、指数が高くなると 日影ができ、低部の 葉が枯れ落ちます。葉の形態と大きさは 環境からの圧力と 植物それぞれの 進化の過程によって 形作られたもので、効率的に太陽光を 吸収し、光合成を 行うために 多様な葉の構造が 作り出されたのです。