14.10:

小さい x の仮定

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The Small x Assumption

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02:20 min

October 19, 2020

反応の平衡定数が小さい場合、その平衡は反応物側に有利になります。このようなKcの値が小さな反応では、反応物の初期濃度が高い場合には、濃度の変化が無視できるほど小さくなる場合があります。このような状況では、平衡濃度はその初期濃度にほぼ等しいです。   この推定は、いくつかの平衡濃度が初期濃度に等しいと仮定することで、平衡計算を簡略化するために使用することができます。ただし、この仮定をするためには、弱酸または弱塩基の濃度変化、つまりxが初期濃度の5%未満でなければなりません。もしxが5%以上であれば、二次式を使って平衡方程式を解く必要があります。   

代数的に単純化した仮定による平衡濃度の計算

HCNの0.15 M溶液の平衡濃度はいくらでしょうか?

Eq1

xを用いて平衡時の各生成物の濃度を表すと、このICE表のようになります。

 HCN (aq)           H+ (aq) CN(aq)
初期濃度 (M) 0.15 0 0
濃度変化 (M) −x +x +x
平衡濃度 (M) 0.15 − x x x

平衡濃度の項をKcの式に代入します。

Eq2

二次式に変形してxを解く。

Eq3

したがって、[H+] = [CN] = x = 8.6 × 10–6 M、[HCN] = 0.15 – x = 0.15 Mとなります。

この場合、濃度の変化は初期濃度よりもかなり小さく(Kが小さいため)、初期濃度の変化は無視できることに注意しましょう。

Eq4

この近似を用いることで二次方程式を解く必要がなくなり、より簡便に計算することができます。

Eq5

計算されたxの値は、実際には、初期濃度よりもはるかに小さいです。

Eq6

となり、近似が正当化されます。この単純化された手法によって仮定を満たさないxの値が得られた場合は、近似値を使わずに再計算する必要があります。

上記の文章は以下から引用しました。 Openstax, Chemistry 2e, Section 13.4 Equilibrium Calculations.