免疫組織化学的検討(IHC)は、組織内のタンパクの存在、場所の同定に用いる実験方法です。ショウジョウバエ幼虫は染色しやすく、特にIHCに適しています。さらに、ショウジョウバエ幼虫は透明であるため、解剖せずに観察できる組織もあります。
IHCでは、タンパク質を抗体で検出することができます。抗体は、ターゲットとなるタンパク内の「エピトープ」に特異的に結合します。このエピトープを保護するために、染色前には組織の固定が必須となります。さらに、抗体が膜を通過できるように、界面活性剤を用いて細胞の透過性を上げる必要があります。このビデオでは、解剖した幼虫組織の染色に必要な試薬や道具、そして固定、ブロッキング、染色などの工程を説明しています。また、蛍光顕微鏡検査法に必須の封入のテクニックもご覧いただけます。最後に様々な分野におけるこれら技術の応用例を紹介しています。